偽物のブランド品でも売れる?買取店の査定基準と利用の注意点

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正規品として販売されているブランド品を模造し、偽物として違法に販売するコピー商品の流通が相次いています。

特許庁の調査では、日本国内の被害総額は約2,300億円と言われており、届け出のなかった被害も含めると数兆円にものぼると推測されています。

非常に精巧に作られている物も多く、安易に購入してしまう人もいますが、「プレゼントされたら偽物だった」「偽物と知らずにオークションで落札してしまった」というトラブルに見舞われてしまうことも少なくありません。

ブランド買取を利用した場合に偽物であっても買取ってもらえるのか、お店の買取基準や利用する際に注意したい事を紹介します。

コピー商品など偽物の売買は違法!

正規のブランド品を販売している各ブランドでは、デザイン、素材、縫製など、1つ1つの工程に長い時間をかけて商品を作り、流通させています。

さらに、ブランドのイメージを落とさないよう、また多くの人にブランドが定着するよう、細部までこだわりをもって作っているため、多くの時間と労力がかかっています。

しかし、偽物のブランド品は自己(または自社)の利益を上げるために、より安い素材で同じ商品を製作・販売し、ブランド品を安易に真似しています。

かなり精巧なものも多いため「似ているなら安い方がいいや!」と気軽な気持ちで購入する人も中にはいますが、コピー商品の購入は下記2つの犯罪にあたります。

違法性1.商標権の侵害

多くのブランドでは特許庁へ商標登録しており、「商標権」という権利を持っています。

商標とは、各ブランドが使用している商品が、他社の物ではない事を示すために使われている標識の様なもので、ブランドロゴや製品の名前、色・形などを登録することができます。

つまり商標権とは、「有している商標を、商標法という法律で決められた範囲内で、独占して使う事ができる」という権利です。

ブランド品の偽物を作るということは、この権利を侵害し、商標法に違反する違法行為になるため、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科せられます。

また、製作した人や会社だけでなく、偽物だと知っているのに輸出入や仲介に携わったり、売買・譲渡した人も「みなし侵害行為」として、5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科せられます。

もしコピー商品がたくさん流通してしまうと、それまでブランドが時間とお金をかけて培ってきたイメージが低下するため、せっかく上質で自信のある製品を作ってもお客さんが買ってくれなくなってしまう恐れがあります。

偽物を売買するということは単に権利を侵害するということだけでなく、営業妨害にもなるため絶対に行ってはいけません。

違法性2.詐欺

もしブランド買取などのリユースショップを利用する際に、偽物だと知りながらあたかも本物かのように相手を騙して取引が成立すると、刑法第246条の詐欺罪にあたることもあります。

買取店の査定士は豊富な知識と経験を持っているため、ほとんど場合は査定の時点で判明しますが、人の目を使った判断になるためどうしても間違いが起こることがあります。

また、リサイクルショップのようにあまり査定眼に優れていないスタッフが多い場合は、偽物だと見抜けずに誤って買取ってしまうこともあります。

もし詐欺罪になったら、どんな処分が下されるの?

詐欺罪は10年以下の懲役と決まってるわ。

詐欺をした本人はもちろん、加担した人や他人に詐欺をさせた人も処分の対象になるのよ。

買取店で偽物は売れる?ブランド品の査定基準

査定の際に偽物かどうかチェックしている

ブランド買取では、下記の様なポイントを査定で確認し、買取価格をつけています。

  • ブランド力:ステータスの高いブランドか、認知度が高いか等
  • 需要、人気:中古で売りやすいアイテムか、中古市場の流通量は多いか等
  • 状態:汚れやシミ・傷・強いニオイはあるか、付属品は揃っているか等
  • 在庫状況:自社で余っている在庫は多いか、売れ行きの良い商品か等

またこの他に、正規のブランド品かどうかも必ず確認を行っています。

ブランド買取店では各ブランドの商標を守るため、コピー商品など偽物の買取は行えません。

中古品であっても偽物の売買を行い、流通させた場合は商標権の侵害になるからです。

これは買取を行う上での絶対条件であり、むしろ偽物を買取ってくれるお店は信用できないので利用しない方が良いでしょう。

偽物のブランド品を買取査定に間違って出した場合や、偽物と知らずに買取店を利用すると、「買取できません」「弊社の基準を満たしていません」などと言われて返却されます。

「これは偽物です!」とは言ってくれない

もし査定に出したアイテムが偽物だったとしても、買取店は「偽物だから買取できない」と明確に答えてはくれません。

これは商標権に関わる問題で、正規品だと明確に答えられるのは各ブランドと、ブランドから権限を与えられた業者だけだからです。

買取店の査定士は多くのブランド品を見てきており、本物か偽物かを判断できる人も多いですが、それを断言することはできません。

そのため、お客さんに「買取できません」と言うことしかできないのです。

ブランド品を査定に出して、買取できないと断わられたら、全て偽物ということですか?

いいえ、違うの。偽物のほかに、正規品だけど状態や需要など様々な要因で買取不可になってしまうものもあるわ。

買取してもらえなかったからといって、全てが偽物と判断された訳ではないから注意してね!

買取不可と言われたらこんな可能性も!

シリアルナンバーが明確でないもの

限定生産品やハイブランド品の一部のアイテムでは、各アイテムにシリアルナンバーが振り分けられており、購入時にどの顧客が何番を購入したのか記録しています。

このシリアルナンバーに傷がついていたり、擦れて見えにくくなっている物は盗品の可能性があるため、ギャランティーカードなど証明する物がない場合は買取不可となる事があります。

正規品だがハンドメイドで作られている物

ハイブランドであっても、一部の製品は職人がハンドメイドで作っているというアイテムが販売されることがあります。

縫製や刻印などの細かな部分まで1つ1つ手作業で行う事もあり、機械で作るのとは違って多少のズレなどが生じます。

このズレなどがあると、「正規品だけどズレている」のか「偽物」かの判別が非常に難しいため、買取店では安全をとって拒否されてしまうことがあるのです。

並行輸入のブランド品

正規のブランド品は、国内直営店や正規代理店の他に、一般的な小売店で購入できることもあります。

前者の場合はお店が各ブランドから直接仕入れを行っていますが、後者は海外の直営店や正規代理店などで買い付けを行い、輸入して販売する「並行輸入品」と呼ばれるものです。

並行輸入品は海外で販売されていたアイテムを国内へ持ち込むため、国内の直営店で購入するよりも安く買える事が多くあります。

そのため、中古品として販売するためにはより価格を抑えなければならず、買取の段階でも査定が厳しくなり、傷や汚れなどが目立ったり付属品の欠品が多い場合は、買取不可とせざるを得ない事があります。

状態が著しく悪いもの

買取で売られたブランド品は中古として再販されるため、傷、汚れ、付着したニオイなどの状態が買取価格に大きく影響します。

多くの場合はクリーニングをすれば綺麗になりますが、使用感がかなり強いアイテムや傷・破損・汚れなどがひどい場合は買取ってもらえない事もあります。

また、ニオイも取り除きづらいことが多いため、タバコを吸う人、香水をつける人、ペットを飼っている人は要注意です。

買取不可と言われたアイテムが、「偽物だからか」「その他の理由だからか」を見分ける方法はないのですか?

売れなかったアイテムが返却されたら、他のブランド買取店も利用してみるのがオススメよ!

正規品の場合は安くても、どこかのお店で売れる可能性があるけれど、偽物の場合はどの買取店でも断られてしまうから、そこが1つの判断の目安になるわね。

偽物のブランド品は、買うのも売るのもNG!

日本で多く流通されているコピー商品は、違法に作られた物だと理解して、購入しないよう気を付けなければなりません。

また、ブランド買取店でも不正流通を防ぐため、偽物の買取は行わない様に徹底されています。

もし、プレゼントや譲渡などでもらったブランド品が偽物かどうか分からない場合は、一度買取店の査定に出してみましょう。

買取不可として返却された場合は、コピー品である可能性もあるため、いくつかのお店を利用して確認した方が安心です。