2016年の時点で一般社団法人日本リユース業協会に加盟している店舗数は4,887店と非常に多く、2013年と比較して60%も増加していました。
非加盟店とあわせると、かなりの事業所が買取店やリサイクルショップを経営していることが分かります。
多くのリユースショップが乱立する現在、いざ不用品を売ろうと思ってもどんなお店を利用したら良いのか悩んでしまうものです。
そこで、より専門的な査定を行う買取店に限定し、「買取店のどこを見たら良いのか」「良いお店を見つけるために何を比較すべきか」などのポイントを中心に、自分に合った買取店の選び方のコツを紹介します。
まずはお店の販売形態から絞り込み
買取店を比較するポイントはいくつかありますが、まずはお店の販売形態を選びましょう。
買取サービスには「店舗」「出張」「宅配」の3つ販売形態があり、それぞれの買取方法にメリット・デメリットがあります。
主に買取価格や利便性、安心感などが異なりますが、最初はそれを重視したいかを考えた上で買取方法を選択すると、各店舗の比較がしやすくなります。
方法1.店舗買取
売りたい物をお店へ持参して査定や買取を行ってもらう方法で、街中や駅前にある買取店がこれに当てはまります。
基本は予約不要でいつでも利用できるのがメリットですが、アイテムを運ばなければならない手間と時間がかかります。
また、スタッフと直接顔を合わせるため安心感があるものの、営業トークなどで断りづらいという声も多いものです。
お店を構えるための運営費・維持費が高いため、利益を出すために買取価格は安くなってしまう事がほとんどです。
方法2.出張買取
自宅へ査定スタッフが訪問する出張買取は、車やピアノなどの大型品ではメジャーなサービスですが、近年は本、着物、ブランド品など小~中型品に対するサービスも増えています。
自分の家で査定が行われるため準備や移動が不要で手間がかかりませんが、他人を家に上げなければならず、セキュリティ面の不安もあります。
また、自宅であるがために悪質なお店では強引な営業や長居をされてしまい、クレームやトラブルに発展することもあるため、買取店選びが非常に重要です。
クーリング・オフ制度の対象になり、一部のジャンルでは契約後のキャンセルができるようになったため、安全性は高まりました。
方法3.宅配買取
売りたい物を宅配便でお店に送り買取を行うサービスで、時間の縛りが少なく、忙しい人や買取店が近くに無い人でも利用できます。
全てインターネットやメールを通してやり取りが行われるため、パソコンやスマホの利用が必須です。
送料や手数料は無料のお店がほとんどですが、一部の買取店では有料の場合もありますので、きちんとサービス内容を確認してから申し込みをした方が安心です。
宅配買取は店舗を持たない形態なので、お店の利益が上がりやすく、買取価格が最も高くなりやすい方法です。
サービス内容で比較する買取店の選び方
上記の買取方法を選んだあとは、その販売形態を行う買取店を比較しましょう。
お店によってサービスが異なるため、特に重要となる下記の9個のポイントを確認していくのが効率的な選び方です。
ここを抑えて買取店を比較!おさえたいポイント
- 無料梱包資材の有無
- 買取点数制限の規定
- 査定の所要日数
- 買取明細の有無
- 検討の猶予期間
- 支払いの所要日数
- 送料、手数料
- キャンセル時の規定
- 口コミ・評判の確認
ダンボールや梱包資材がもらえるお店も
買取店の中でも宅配買取を利用する場合は、売りたいアイテムを箱や袋に詰めて発送します。
この際に利用するダンボールや緩衝材を無料で提供しているお店があり、宅配買取店の中ではスタンダードなサービスになりつつあります。
「梱包時のダンボールを用意できない」「手間なく利用したい」という時にはかなり便利なサービスですので、必要な方は利用できるかどうか確認しましょう。
尚、無料ダンボールを希望する場合は、申し込みからお届けまでに平均2~3日ほどかかりますので、すぐには発送できないことを頭に入れておきましょう。
ダンボール提供がないお店は買取価格が高くなりやすい
梱包資材を無料でもらえるのはとても便利ですが、実は無料提供をしていないお店の方が買取価格が高くなる事があります。
ダンボールや緩衝材などの仕入れには、当然お金がかかっています。
さらに、それを顧客に送る送料も無料サービスとなるため、梱包資材の申し込みをされた時点で1件あたり500~1500円程度のマイナスが出ているのです。
しかし、無料提供を行っていない買取店では、この費用は発生しません。
その分お店の利益が上がりますので、査定の上限額が高くなり、結果的に買取価格が上がりやすくなるのです。
利便性を求める人は必要なサービスですが、買取価格を重視する人は自分でダンボールを用意した方が良いでしょう。
一見便利なサービスですけれど、価格重視の人は避けた方が良さそうなのですね。
ダンボールはスーパーやドラッグストアなどのお店で、もらうこともできます。
通販で届いたダンボールを再利用すれば、ゴミ捨ての手間も省けるのでオススメです。
点数制限が多い買取店は使いにくい
各買取店には、何点から買取が可能かという点数制限が設けられています。
1点から買取OKのお店もありますが、「5点以上」「20点以上」などの下限が明記されている事も多いため、特に売りたいアイテムが少ない場合はしっかり確認しましょう。
また、この点数制限は買取の条件としてだけでなく、宅配買取の送料無料の条件になっていることもあります。
発送の送料がかかってしまうと、売るかどうかが分からない状態で費用が発生してしまうため、注意が必要です。
同一商品の点数制限にも注意
また、点数制限は下限だけでなく、上限として定められている事もあります。
これは主に同一商品の買取について規定されており、同じ商品を一度にいくつも売る事はできません。
盗難品などの不正流通を防ぐために設けられていますが、何点までなら買取できるかはお店によってかなり差があります。
査定にかかる日数は5日前後が目安に
宅配買取では荷物がお店に到着してから査定が行われますが、早いお店では到着即日、スピーディーなお店だと到着後2~3日ほどで結果が出ます。
少し混雑していたり、点数が多い場合でも4~5日もあれば査定が終了するのが一般的です。
査定にかかる日数はお店によってバラつきがあるため、特に早く現金化したいという人はよく比較しましょう。
中には、査定だけで2週間かかるお店もありますが、あまりに時間がかかりすぎると不安を抱く原因にもなりますので、初めて利用する人は早めに対応してくれる所がオススメです。
店舗買取でも、依頼数が多い場合は後日査定になり、査定に数日かかることがあります。
また、出張買取と謳いながら訪問時は引き取りだけ行うという買取店もありますので、査定の所要日数は宅配買取以外のサービスでも確認したいポイントです。
繁忙期は査定が遅くなることも
買取店などのリユースショップにも繁忙期があり、多くの人が不用品の処分をするシーズンは通常よりも査定に時間がかかることがあります。
繁忙期に合わせて人員増加などの対策をしているお店ではあまり影響はありませんが、大手でないと一時的な対応が難しいこともあり、多くのお店で査定に時間がかかります。
買取遅延情報は公式サイトに掲載されることもあるので、申し込み前に確認しましょう。
査定に時間がかかる繁忙期は、いつ頃なのでしょうか?
主に、大掃除を行われる12~1月や引越しシーズンとなる3~4月、8~10月は利用者数が急増するため、記載通りの日数では査定結果が出ないと思っておきましょう。
結果は総額or明細どちらで出るか
査定の結果は、アイテム全ての金額が合計された状態の「総額提示」と、1点ずつ金額が書かれている「明細提示」の2種類があります。
細かな確認が面倒という人や売るアイテムが多い場合は総額提示を選ぶことが多いですが、安心感を求める人は明細提示を好みます。
基本的には形式上のものなので、どちらのタイプの買取店でも大きな違いはありませんが、明細型の場合は「1点ずつの承認・キャンセル」が選べることがあります。
総額提示は査定額がプラスされていることも
総額提示は全てがまとめられた金額しか教えてもらえないため、不安に思う人もいますが、実は総額提示のお店では買取価格が高くなる可能性があります。
明細式で査定結果を出す場合、アイテム1点ずつの正しい評価を記載しなければなりません。
一方、総額提示なら「アイテムとして値段をつける事は難しいけれど、たくさん(セットで)売ってくれた」など状況に合わせて査定内容を加味してくれることもあり、買取額が高くなることがあるのです。
査定アップは見逃せませんわ!まとめて査定してもらえるお店は、印象が高まりますわね。
この査定額アップは絶対的なものではないので、「あったらいいな」くらいに思っておいてくださいね。
たくさんお店に売ってくれたり、本セットの一部の状態が悪い時など、何らかの要素があれば加味してくれるということですので、過度な期待は禁物です。
返事の猶予期間は必ず確認を
宅配買取では査定の結果の連絡を受けたら、決められた有効期限内に返事をしなければなりません。
この検討の猶予期間がお店によって異なり、1週間以内としているお店もあれば、2~3日で返事をしなければならない買取店もあります。
選び方の中ではそれほど重要なポイントではありませんが、買取を初めて利用する場合や大量に査定に出した場合は、査定結果の検討に時間がかかることもありますので、確認しておいた方が安心です。
もし、返事の期間が過ぎてしまった場合は、どうなるのですか?
「期間内に返事がなかった場合、承認したものとして対応します」というお店が多いですね。
自動的に振込の手続きが進められてしまい、売りたくなかった場合でも断れなくなってしまうので注意しましょう。
支払いは遅くても1週間以内に
査定結果を承認すると契約成立となり、買取額が支払われます。
店舗買取や出張買取は基本的にその場で手渡しになりますが、出張買取で高額な場合や宅配買取では銀行振込になります。
振り込みは承認後3~4日程度で自分が指定した口座に入金されますが、お店によっては住所確認などの手続きが必要になるため、これよりも時間がかかることがあります。
利用候補となる買取店の入金にかかる日数や承認後の手続きについて確認し、1週間を目安に、あまり時間のかからないお店を利用しましょう。
金融機関の休業日に注意
ただし、金融機関は基本的に土日祝日が休業となり、買取店が営業していても入金日が次の平日の扱いになるので注意しましょう。
また、振り込みは平日15時以降になると、翌営業日扱いとなります。
特に、金曜日の15時以降に振込となる場合は4日後に入金されることになるため、少し時間がかかることを覚えておきましょう。
送料や手数料が自分の利益を左右する
買取店を利用する際、様々な名目で送料や手数料を取られることがあります。
どんなに査定額が高くても、送料や手数料が差し引かれてしまうと結果的に他店よりも安くなってしまう可能性があるため注意が必要です。
何らかの費用負担が必要なのかは、買取店を選ぶ上で必ず確認したい重要ポイントです。
こんな名目の負担額がないか確認を!
- 査定料、鑑定料
- 買取手数料
- 振込手数料
- キャンセル料
- 送料・返送料(宅配買取の場合)
余計な費用がかからないお店を利用するのも、買取店の選び方では大切なポイントなのですね。
公式サイトでは良い所は大きく書いているけれど、マイナス要素は小さく書かれていたり、利用規約のような細かい文章の中に入れられていることがあります。
利用前にはしっかり確認して、もし分からない事があればお店に直接問い合わせてみましょう。
断る事も考えて規定をチェック
買取を利用する時は、少しでもオトクに売ることや良いサービスを受けることに目が行きがちです。
買取価格が納得のいくものであれば良いのですが、実際に査定を受けてみないとその結果は分かりません。
断ることも考えて、「キャンセルができるのか」「キャンセル料や手数料がかかるのか」など規定を確認し、納得できる買取店を選ぶことも大切です。
自動承認はキャンセルができない!
一部の買取店では、承認・キャンセルの返事がいらない「自動承認コース」を採用しています。
これは宅配買取のサービスの1つで、査定の後すぐに支払い手続きに移るため確認の手間がかかりません。
一方で、買取店の査定結果を確認せずに振込となるため、査定結果の内容を確認したり、キャンセルすることができません。
一見スピーディーで便利なサービスに見えますが、買取価格が安くても断ることが出来ないので、注意して利用しましょう。
最後は必ず口コミの確認を
買取方法と上記8つの項目でお店を比較し絞り込んだら、最後は必ず利用者の口コミをチェックしましょう。
今まで集めた情報はあくまでもお店が公開しているサービス内容となるため、利用者の満足度や意見は分かりません。
「サービスに満足できたのか」「買取価格は納得できるものだったのか」「対応は良かったのか」などを実際に使った人の声から調べてみましょう。
どんなに良いサービスを謳っていても、あまり良くない口コミが多い場合は、利用を考え直した方が安心です。
細かな比較が満足度の高さにつながる
買取店を利用した人の中には満足して終えた人ばかりではなく、何らかの不満を思った人がいるのも事実です。
その不満の中にはサービス内容に対する声も多くありますが、実際には公式サイトなどできちんと確認すれば、ほとんどは解消することが出来ます。
つまり、買取店をなんとなく選ぶのではなく、必要な事を1つ1つ確認して選ぶようにすることで認識不足による不満を防ぎ、より満足度の高い利用につなげることができるのです。
項目が多いので初めての人は少し面倒に感じるかもしれませんが、候補が絞り込まれている各ジャンルの人気店から比較をはじめれば、より簡単に利用することができるのでオススメです。