古いお城に住む魔法使いの黒ネコ。
使用人もおらず、使い魔のこんにゃく(幽霊ネコ)と2人で暮らす彼の城は荒れ放題。
今日も自由きままに魔術を繰り広げ、お城をめちゃくちゃにしていた黒ネコでしたが、お城の散らかり具合にさすがに悩み始めたもよう。
なんとか楽にいらないモノを片づける方法はないものか・・・・。
「そうにゃ!別に自分で片づけをしなくても、使い魔を増やして片づけをさせればいいのだ!」
すぐにでも使い魔を呼び出そうと、近くに転がっていた魔術書を拾い上げ召喚を始める黒ネコ。
「にゃにゃにゃにゃーん(召喚の呪文)」
召喚は成功にも思えた―――が、魔術書から飛び出してきたのは使い魔ではなく、5匹の見知らぬネコ。
「あれ・・・?おばあちゃんの所に向かっていたはずなのに・・・。ここはどこ?」
困惑する5匹のネコを見て、不思議に思った黒ネコはもう一度魔術書を確認する。
なんと、それは魔術書とは程遠い、おとぎ話の本だった。
「間違えたにゃ!道理でおかしいと思ったにゃ!もう少し片づけておけばこんなことには・・・・」
「随分と散らかったお部屋ですわね・・・」
「そもそもなんでネコになってるの~?」
ネコの適当な魔法によって、童話のお姫様たちは姿をネコに変えられたあげく、汚いお城へと招待されてしまったのであった。
「とりあえず元凶らしきあなた、どういうことか説明してくださらない?」
「え~~~、ごほん。キミたちを呼んだのは他でもない」
「この散らかりきったお城を整理するために私が召喚したのにゃ」
「見事にこの城を綺麗にできたら元の世界に返してやるのだ!」
開き直った魔法使いは、結局呼び出した5人にお城の片づけを任せることに。
「ネコはキレイ好きなのに、君は片づけできないんだねー!」
「ね~。人に頼らないで自分でやればいいのに~。」
「・・・。」
ブーイングの声も聞こえたが、ある1匹の言葉により、事態は急変。
「それなら簡単におかたづけできる方法がありますよ!」
「ほほう。聞こうではにゃいか」
「買取サービスを利用するんです」
「か、かいとりさーびす?」
「しってる!いらないものを売ってお金に換えてくれるやつだよねー!」
「お城を見る限り物で溢れ返ってますし、不要なものは買取に出したほうが良さそうですわね」
「み、みんにゃ知ってるのか・・・」
「おとぎ話の世界では常識だよ~~」
「じゃあアイテムごとに手分けして整理しましょう。ほら、あなたも手伝うのよ!」
「んにゃ~~~(泣)」
買取サービスを利用してお城の物を整理することになった5人。
果たして無事にお城を綺麗にして元の世界へ帰れるのか―――――!?