買取店を利用すると提示された金額でしか買取ってもらえないと思いがちですが、実はものによっては価格交渉を行うことができます。
ただし、単に「値段を上げてください!」と言っても、相手も商売ですから、なかなか交渉には応じてもらえません。
そこで今回は買取価格を少しでも上げたい人のために、買取店があまり使ってほしくない効果的な交渉術をコッソリお伝えします。
少しでも買取価格を上げて、よりお得な不用品の処分を叶えましょう。
どんなアイテムでも価格交渉ができる訳ではない!
提示された査定の金額に納得できなかった場合、お店の人に交渉すれば価格を上げてもらえる可能性があります。
物やお店によって差はあるものの、だいたい20%前後は価格を上げてくれる買取店が多く、場合によっては50%近くまで跳ね上がる事もあり、少し時間を割いてでも交渉術を駆使して相談する価値はあります。
しかし残念ながら、どんな物でも価格交渉に応じてくれるという訳ではありません。
交渉に応じてもらえる物かどうかを見極めてお願いをすると、無駄な時間をかけることなく取引きが行えます。
価格の交渉がしづらいアイテムとは?
定価や買取価格が安いもの
アイテムジャンルにもよりますが、買取価格は定価の20~30%前後というのが相場の一つの目安になっています。
例えば、定価10,000円のバッグの買取価格は2,000~3,000円程度が相場となり、これに状態や市場価値などが加味されて買取価格が決まるという事です。
漫画や小説などのように定価が安いアイテムは、そもそもの買取価格が安くなってしまうため、いくら交渉してもそもそもそれほど高く買取ることができません。
また、定価が高い物でも買取価格がかなり安いということは、それだけ状態が悪い、流行遅れになっているなどの大きな減点ポイントがあるという事になり、価格交渉が難しいのが実情です。
交渉できる最低ラインの目安は、定価の場合は2,000~3,000円程度、買取価格は1,000~2,000円程度です。
これはあくまでも最低ラインなので、買取店によっては1万円を超えないと難しいという場合もあります。
買取店が力を入れているアイテム
高級ブランドの定番ラインや市場人気の高いアニメのフィギュア、中古で需要のある車種など、どこの買取店でも力を入れているアイテムは交渉しづらい傾向にあります。
日本では買取店への交渉はそれほど多く行われていないため、利用客は最初にお店が出した買取価格で「売る」「売らない」を判断することがほとんどです。
そのため、何としてでも買取りたいアイテムなのに節約して安い価格を言ってしまうと、他店で売却されてしまう恐れがあることから、買取店では主力アイテムに対して最初からかなり高めの買取額を提示しています。
つまり、お店の重要アイテムに対して価格交渉を行っても、限界値に近い値段を最初から提示しているため応じてもらいにくく、交渉できたとしても大幅な増額は見込めないのです。
買取を強化しているアイテムの方が、交渉しやすいんだと思ってた~!
1点ごとの価格を交渉するのであれば、「ほどほどのアイテム」に期待するのが良いですね。
あとは、1点ずつの金額ではなく、総額を上げてもらうという方法で交渉するのも1つの手段です。
価格交渉をする前におさえておきたいポイント
交渉を前提に申し込むなら「出張買取」がベスト
買取店を利用する時に、スタッフの人と対面している店舗買取や出張買取では「断りづらい」「キャンセルしたら申し訳ない」と感じ、意に反して成約してしまう人が多くいます。
これはお店側も同じで、顔を合わせて長い時間接している方が交渉には有利です。
ただし、同じ対面式の買取方法でも、店舗買取はお店の利益が少ない経営方法になるため、交渉してもあまり大きな増額は見込めません。
また、周囲に他の顧客がいる状態での交渉になるため、安易に交渉に応じてしまうと他の顧客まで価格が交渉されてしまう恐れがあり、なかなか承諾は得にくくなります。
そのため、価格交渉をすることを考えた上で申し込むのであれば、出張買取を利用するのがベストな選択と言えます。
最近では、宅配買取でも価格交渉に応じてくれるお店が増えてきています。
買取店がどうしても欲しいアイテムが含まれていたり、他店の見積もりと比較して交渉をされた場合に、成功率が上がる傾向にあります。
宅配買取を利用する人も、あらかじめ相見積もりを取っておけば、諦めずに交渉する価値がありそうです。
価格交渉は対面した時から始まっている
スタッフとスムーズに交渉を進めるためには、相手にとっても良いお客さんであることが前提です。
「価格交渉は金額が提示されてからが勝負」と考えがちですが、実は、交渉は相手と会った時から始まっているのです。
身だしなみを清潔に整えて笑顔で会話をし、親切に接して、最初に相手に良い印象を与えましょう。
これは心理学で「初頭効果」と言い、最初に与えた印象が頭に残りやすくなります。
さらに、最初に良いお客さんだという印象を与えると、その影響が他の要素(交渉段階)でも影響しプラスに評価してもらえるという「ポジティブ・ハロー効果」も狙う事ができます。
上から目線の人は交渉に応じてもらえない
先にもお伝えした通り、買取店に交渉に応じてもらうためには、歓迎される人でなければなりません。
「この人なら高く買ってあげよう」と査定スタッフに思ってもらえれば、その場での検討や上司との相談も前向きに進めてくれます。
逆に、威圧的・横柄な態度をとる人、上から目線で話す人に対しては、もし交渉の余地があったとしても「この人には応じたくない」と思われてしまいます。
これは単なる感情的な問題だけではなく、交渉に応じてしまうと、味を占めてリピートされた時に買取店のリスクになることが考えられるからです。
価格交渉をする時は、謙虚に丁寧に話すことが大切なのね~!
交渉はあくまでも「相手へのお願い」と捉えて、話を進めることが大切です。
無理強いをしたり、乱暴な対応では価格交渉どころか、利用を禁止されてしまう可能性もあるので気を付けましょう。
相場や中古品の販売価格を把握しておくと便利
売る側は少しでも高く売りたいと思っていますが、各アイテムにはそれぞれ買取の相場があり、そこから大きく外れるほどの増額はできません。
また、買取額は市場の需要にも影響されるため、中古品としての販売価格も参考にしています。
そのため、交渉をする側も売りたい物の相場や中古の販売価格を知っておくと、より具体的かつ現実的な交渉が行えます。
中古の販売価格や相場は、どうやって調べたら良いの?
Amazonなどの大手通販店での販売価格を調べたり、公式サイトの買取参考価格や強化ラインナップを見るといいですよ。
マジにゃんでも、各ジャンルのページで相場を紹介しているから、参考にしてくださいね。
相手に言ってはいけないNGワード
交渉を有利に進めるためには、買取店に対して言ってはいけない言葉があります。
下記の内容は、特に交渉や価格に影響する内容ですので、発言に注意しましょう。
相場を大きく外れた希望額
上記でもお伝えした様に、最初の査定より増額できるとしても限度があります。
「A店では○○円と言われた」「B店ではおたくより○万円も高い」などと、実際とは異なる事実や相場を大幅に逸脱した金額を交渉に使う人がいますが、やめた方がいいでしょう。
実際、この様な交渉術を使って買取額が高くなる可能性もなくはないのですが、万が一担当者に嘘がバレてしまうとブラックリストになる恐れがあります。
また、場合によっては同一企業内や業界内で情報が共有されることも考えると、おすすめできません。
「もう使わない」「いらない物」
買取を利用する時は、「もう使わないから買取ってほしい」というパターンと、「売るかはまだ決めていないけれど、一応金額が聞きたい」というパターンがあります。
もし、前者のように「使わない」「いらない」という事を伝えてしまうと、お店側は低くても買取れると思い、なかなか価格を上げてくれません。
むしろ買取店側はこの言葉を引き出すために、「もうご使用にならないのですか?」などと聞いてくることもあります。
そんなこと担当者さんに聞かれたら、「そうなんですよね~」って言っちゃいそうだわっ!
なんて答えたら上手く切り返せるのかな~?
そんな時は「まだ使うかもしれないんですけど」「売るかどうかは迷っているので」といった具合に、曖昧に返答しておくのが良いですよ!
相手に、いらない物・売りたい物ということを悟られず、査定をしてもらうのがポイントですね。
言う必要のない余計な情報
買取店のスタッフもプロなので、査定につながる様々な情報を顧客から引き出そうと、いろんな会話をしてきます。
その時、特にお話好きな人だとつい乗せられて、自分から余計なことまで話してしまい、査定の減額につなげてしまうことがあるのです。
たとえば「壊れている」「新品のように見えるけど、実は使用済み」といった自分が不利になる情報は、あえて伝える必要はありません。
担当者の査定した結果で価格を付けてもらうのが、無駄な減額を引き起こさないためのコツです。
ただし、状態について尋ねられた場合は、あえて嘘を言う必要はありません。
むしろ嘘を言う事で、全般的な信頼を損ねると交渉に響きますので、聞かれた時は正直に答えましょう。
リアルに使える交渉術と心理効果
では、査定額が提示されて価格交渉を行う場合には、どの様に振舞うと前向きに検討してもらえるのかを考えましょう。
下記では買取店に対して使える交渉術を説明するほか、コミュニケーションの実際をガイド猫たちの会話でご紹介します。
最初から希望額を言わない
相手の査定額を聞く前に自分の希望額を伝えてしまうと、それ以上高く買取れる場合でも、希望額に合わされてしまうことがあります。
そのため、査定の間や価格交渉のはじめには、自分から具体的な金額を言うのは避けましょう。
担当者から希望額を聞かれた時は、曖昧にして伝えるか、質問返しをするのが良いでしょう。
このバッグの買取価格は、どのくらいをご希望ですか?
そうですねー・・・査定の印象では、どのくらいの価格になりそうですか?
売る気がある姿勢をしっかり伝える
買取店としては、せっかく交渉に応じるなら、自店で売ってくれる人に少しでも高く買取りたいという思いがあります。
そのため、価格の交渉をする中でも「応じてくれるなら貴店で売ります!」という姿勢を相手に伝えた方が、承諾してもらいやすくなるのです。
また、希望の金額や妥協できる範囲で交渉成立した場合は、必ずその買取店に売るようにしましょう。
もう少し値段を上げるとなると・・・30,000円ではいかがですか?
もし(金額を)配慮してくださるなら、こちらで売ろうと思っています。
今日ここで決めるので、もう少し頑張っていただけませんか?
他店の見積もりを比較に出す
もし交渉を進めている中で難航しているように感じたら、他店の見積もりを出すのが一番有効です。
交渉術では最初に具体的な金額を出すのはNGですが、相手があまり乗り気でない時は、具体的な数字が目に見えた方が検討しやすくなります。
他店の金額を交渉の材料にできるほか、「これより高くなるなら貴店で売る気がある」という姿勢や、「成約できなければ他店に売られてしまう」というリスクを伝えるのにも役立ちます。
相見積もりを取っておくのであれば、有効期限内のもので、同じアイテムでないと交渉材料になりませんので注意しましょう。
これ以上値段をあげるのは、なかなか難しいかもしれませんね。
そうですか。実は、他の買取店さんでも査定をしてもらっていまして、今お返事を待っていただいている所なんです。
(見積もりを見せて)Aさんがとても良くしてくださるので、ぜひ貴店で売りたいとは思うのですが、この金額より高く売ることはできませんか?
他店の見積もりを提示する交渉術は、出張買取だけでなく宅配買取でも有効な方法です。
宅配買取の交渉はメールや電話での対応となるため、出張買取の様に時間がかけられません。
そのため、最初から具体的な金額の提示があると、買取店も即断・即決しやすくなります。
希望額に幅を持たせて交渉する
自分の希望の買取額を担当者に伝える時は、最初から本当の希望を伝えるのではなく、少し高い金額から交渉を開始しましょう。
これは「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」という交渉術で、商談や値切り交渉などでもよく使われています。
ドア・イン・ザ・フェイスには「門前払い」という意味があり、最初に応じられない金額を断った後、より小さな金額で交渉されると応じやすくなるという手法です。
(査定額が3万円に対して)もう少し頑張って40,000円になりませんか?
うーん。このお品物だと、40,000円は少し厳しいですね。
では、38,000円で買取ってもらうことはできませんか?
この交渉術は一発で決まるというより、少しずつ金額を下げてOKが出るラインを引き出していく流れが多くなります。
しかし、最初にあまりにも非現実的な買取価格を提示してしまうと、相手に見限られてしまう危険性があるため、注意が必要です。
「ちょっとだけで良い」を訴える
買取価格の交渉の中で、最後の一押しとして使えるのが「イーブン・ア・ペニー・テクニック」という交渉術です。
無理のない範囲の小さなお願いをされると、それに応じやすくなったり、逆にそれ以上のことをしてくれるという善意を引き出す心理効果を使った方法です。
この小さなお願いは、現実的かつ少額である必要があるため、価格交渉の最後の方で使用するのが良いでしょう。
では勉強させていただいて、35,120円でのお買取はいかがでしょうか?
端数をちょっとだけ、頑張れませんか?
下2桁だけでも切り良くしていただけると、とても気持ち良く売れるんですが・・・
相手のプラスになる情報を与える
買取店を利用する立場にいるとついオトク感だけを求めがちになりますが、相手は商売として買取を行っています。
その場限りではない継続的なメリットや、「この人に対して買取価格を上げたら、こんな良いことがある」という情報があると、Win-Winの関係が作れるため、価格交渉の成功率が高くなります。
例えば、周りの人に自店を勧めてくれたり、他の顧客を紹介してくれるといったプラスがあると、少し高く買取ってもお店の利益につながるため、交渉に応じやすいのです。
特に今はSNSでの情報も重視されているので、ツイッターやフェイスブック、ブログなどで良い口コミを流してくれるという事でもお店のプラスになります。
ご希望の金額ですと、お買取は少し難しいかなと・・・
もし頑張ってくださるなら、ツイッターで写真を載せて「良かった」って紹介しますよ。
ハッシュタグもつけて、載せておきます!
買取交渉はお願いの姿勢とテクニックが鍵
買取店では価格は交渉できないと思う人が多いですが、実は対応してくれるお店もたくさんあります。
大切なのは、相手も商売をしているということを理解し、お願いの気持ちと低めの姿勢で交渉することです。
また、むやみに話をしてもなかなか承諾してもらえませんので、交渉術のテクニックを覚えておくと、より良い流れに運びやすくなります。
交渉術は時と場合に合わせて使い分けができるようにしておくと、効果的に使えるようになります。