宅配買取は、自宅で売りたい物をダンボールに詰めて宅配便で発送するため、前もって梱包作業が必要になります。
実はこの荷造り、何の気なしに行っている人が非常に多いのですが、誤った梱包方法を行ってしまうと汚損や破損につながります。
査定に届いた時に壊れていたり、汚れていると買取価格が大きく減額され、場合によっては買取してもらえない事もあるのです。
そこで今回の記事では、宅配買取を利用する時に意識したい梱包方法のコツや、荷造りを行う時の注意点を紹介していきます。
基本の“き”!全ジャンル共通の5つの梱包ポイント
紙袋での発送はNG!
宅配便でアイテムを買取店に送る際、紙袋を使用する人がいますが、必ずダンボールを使用することが大切です。
紙袋はどこの家庭にもあるため手軽に準備できますが、もともとの耐久性が強くないため、重たい物を入れるとそれだけで破れる恐れがあります。
また、外部からの衝撃に弱いため、詰めた物が壊れてしまう危険性が高まるほか、雨などで濡れた場合に破れてしまったり、水が染みてアイテムを汚してしまう可能性もあります。
そのため、宅配買取の梱包には必ずダンボールを使用し、発送することが大切です。
ダンボールって新品を使わないとダメなの~?
綺麗なら、スーパーなどで無料でもらえるものや、通販で送られてきたダンボールの再利用でも構わないわよ。
宅配買取店では、新品のダンボールを無料で提供しているお店も多いから、準備が大変な場合はこのサービスを利用するのもオススメね!
ガムテープの貼り方にもコツがある
大切な商品を安全に買取店まで届けるためには、ダンボールの貼り方も少し工夫しましょう。
まず、底面のガムテープは十字に貼って、荷物の重さが分散できるようにするのが大切です。
特に、本類やゲーム機本体のような重たい物を売る時は、真ん中だけに貼ってしまうと底が抜けてしまう危険があるので、必ず十字貼りを守りましょう。
また、荷物を詰めた後に蓋を閉じる時は、真ん中だけでなく左右もきちんと封をしてください。
これをすることで、隙間から雨やゴミが入るのを防ぎながら、テープ剥がれによって蓋が開いてしまうトラブルも防ぐことが出来ます。
100円ショップなどでも売っている紙製のガムテープ(クラフトテープ)は、粘着力が弱く、しっかり貼らないと剥がれてしまう可能性があります。
心配な人やブランド品など高価なアイテムを売る場合は、布テープやビニールテープ(OPPテープ)を使った方が安心です。
売るアイテムは緩衝材で保護
荷造りをする時に売りたいアイテムをそのままダンボールに詰める人がいますが、直接入れて良いのは書籍類だけです。
本以外のアイテムを送る時は、必ずプチプチなどの緩衝材で保護をしてから詰めましょう。
輸送中に衝撃を受けたり、ダンボールの中で荷物が動いてしまった場合でも、中の物ができるだけ傷まない様にするためです。
外箱(化粧箱)がある場合は特にそのまま入れがちですが、査定では箱の有無や状態も買取価格に影響します。
箱の上から緩衝材で一巻きし、潰れたり汚れてしまわない様に工夫しましょう。
もし緩衝材の保護をしないで、届けている間に壊れてしまったらどうなるのっ!?
宅配便には配送補償がついているけれど、これは壊れないように対策していることが前提なの。
つまり、きちんと保護していない状態で宅配便を利用して、万が一壊れても自分の責任になっちゃうから注意してね!
「重い物は下」を守る
宅配買取に限らず引越しなどでも同様ですが、ダンボールに詰める時は「重たい物を下に、軽い物を上に入れる」というのが梱包方法の原則です。
もし重たい物を上手にいれてしまうと、その重量によって軽いアイテムに負荷がかかり、傷ついたり潰れて壊れてしまうことがあります。
どうしても目についた物から入れたり、大きな物は重さに関係なく下に詰めたりする人が多いですが、自分にとっては不用品でも「売るための商品」ですので注意しましょう。
たしかに、小鳥さんが肩に乗っても大丈夫だけど、お馬さんが上に乗ったら私も潰されちゃうわっ!!!
・・・。
他にも「重さ」に関係して1つアドバイスをすると、重たい物を片側だけに偏って入れるのは良くないわ。
一部だけに過剰な負荷がかかって底が抜けてしまったり、配達員さんが誤って落としてしまうリスクも高まるから、できるだけ均等に詰めるようにしてね。
隙間ができたら緩衝材を詰める
売りたいアイテムを詰めた後、ダンボールの中に隙間ができることがよくあります。
この隙間をそのままにしてしまうと、輸送中の揺れによって中で荷物が動いてしまい、ぶつかって壊れたり箱が潰れてしまう可能性があります。
そのため、隙間ができたらこまめに余った緩衝材を詰め、アイテムが動かない様に工夫しましょう。
また、緩衝材を多く用意できるときは隙間だけでなく、荷詰めをする前にダンボールの底に緩衝材を敷いておくのもおすすめです。
下からの衝撃にも強くなり、さらに万が一上からの圧迫が強い場合でも底に入れたアイテムが破損しにくくなります。
隙間を埋めた方が良いのは、ダンボールの中だけではなく、外箱とアイテムの間も同様です。
ゲーム機のハードやモニター類などで、購入時についていた保護用の発泡スチロールを捨ててしまった時は、特に注意して隙間を埋めましょう。
あとは配達員さんが丁寧に運んでくれることを、森の中からお祈りするだけね~
気を付けて運んでもらえるようにするためには、「ワレモノ注意」や「天地無用」シールがあるとベストよ。
集荷に来た配達員さんに声をかけると、ダンボールに貼ってくれるわ。
アイテム別の梱包方法と注意点
上記でご紹介した梱包方法のコツは、売るアイテムのジャンルに関わらず、どのような物を買取店に送る場合にも気を付けたいことです。
今度は売るアイテム別の特性を意識して、宅配買取の梱包を工夫しましょう。
本買取の梱包のコツ
詰める時は平積みで
本や漫画を詰める際、背表紙や開きを下にして入れるとページが折れたり、本自体が曲がりやすくなってしまいます。
本屋さんの特集コーナーの様に、表紙または裏表紙を下にする「平積み」の方法で入れると、輸送中のトラブルを防いで綺麗な状態を保って送ることができます。
また、ダンボールの底は段差ができているため、緩衝材などを敷いて平らにするのがベストです。
セットは巻数を揃えて入れる
漫画のセットや小説の上・中・下巻など、同じタイトルの本をまとめて買取ってもらう時は、必ず巻数を揃えてからまとめて梱包しましょう。
本買取ではセット品になると評価が高くなりますが、全てバラバラに入れてしまうと査定時の見落としにつながり、思わぬ減額になってしまう恐れがあります。
できれば5~10巻程度でひとまとめにし、サランラップや紙、荷紐を巻くなどしてセットであることが分かる様にしておくのがベストです。
本をまとめる時に荷紐を使用することがありますが、古紙回収の時のようにきつく縛ってしまうと、本に紐の跡が付いたり破れてしまうことがあります。
本の状態を損ねると査定額が下がるため、紐を使う場合はきつくし過ぎないように注意しましょう。
フィギュア買取の梱包のコツ
箱なし品は厳重に保護
フィギュアをディスプレイする人は、外箱やブリスター(箱の中でフィギュアを固定する透明なプラスチック)を捨ててしまう事がよくあります。
この箱やブリスターがない状態では輸送の衝撃を受けやすいため、繊細なフィギュアは簡単に壊れてしまいます。
フィギュア買取では箱なしの状態でも売ることは可能ですが、宅配買取を使う際は緩衝材で厳重に保護してから梱包するようにしましょう。
髪やリボン、しっぽ、武器などの線細い箇所は、ちょっとした負荷で折れてしまいそうねっ。
ねんどろいどの様な凹凸の少ないフィギュアは比較的壊れにくいんだけど、スケールフィギュアみたいな精巧なものは要注意ね!
折れやすそうな部分をコットンやティッシュペーパーで先に保護しておくと、箱のない状態でもより壊れにくくなるわ。
未開封フィギュアは開けない
フィギュアを買ったままの状態で保管し、一度も開けていないという場合は、開封せずにそのまま保護して梱包しましょう。
「PVCフィギュアは、開封しないでおくとベタつきが起こる」と言われているため、査定に出す前に状態を確認しようと開けてしまう人がいますが、未開封品はフィギュア買取の中でも高価買取になりやすいアイテムです。
開封済み状態でも買取ってもらう事は出来ますが、それでもやはり未開封品に比べると価格が少し落ちてしまいますので、開けずに売るのが得策です。
ゲーム買取の梱包のコツ
ハードの詰め方に注意
ゲーム機本体(ハード)を宅配買取で出す時は、ダンボールのどこに入れるかを注意しましょう。
1セットだけでもかなりの重量になるため、端に寄せて入れてしまうとダンボールが傾きやすく、トラック内で荷崩れを起こす可能性があります。
また、片方に重さが集中することでダンボールの底抜けも起こりやすく、破損や故障につながります。
ハード1点だけなら箱の中央に、複数同じダンボールに入れるなら可能な限り左右均等になるように工夫しましょう。
ゲームハードを縦に入れるとダンボールの重心が高くなり、運搬中に倒れやすくなります。
「重たい物は下」の原則を守り、できるだけ重心が下に来ることを意識して梱包すると、より安全性が増します。
ソフトの梱包は縦積みに
本買取の所で「書籍は平積みに」という説明をしましたが、実はゲームソフトを売る時はこの逆になり、縦積みした方が安心です。
ソフトのケースはプラスチック製なので、過度に重さが加わると割れたりヒビが入る危険があるからです。
何本もソフトを重ねても、本類ほど重たくなることはありませんが、少しでも安全に宅配買取を使うために意識したい方法です。
着物買取の梱包のコツ
着物はビニールに入れてから詰める
着物はたとう紙に入れた状態で保管してあり、査定に出す時もそのまま宅配便で送ります。
たとう紙は和紙で作られていることが多いため耐久性に優れていますが、水で濡れてしまうと中の着物を傷めたり、シミが付いてしまいます。
宅配買取では雨の中運搬したり、他の人の荷物が濡れていることも考えられますので、たとう紙の上からビニールをかけておくと安心です。
また、小物類を一緒に売る時は、小物を入れている外箱の角でたとう紙が破れてしまうリスクも防げます。
着物をまとめて売る時は、1着ずつビニールに入れないとダメ~?
汚損・破損を防ぐための梱包方法だから、大きなビニール袋にまとめて入れても大丈夫よ!
ガムテープでしっかりと口を閉じておくことを忘れないで。
折り曲げるなら厚手のタオルや新聞紙を用意
ダンボールのサイズが小さかったり、あと1~2枚だけ詰めたいという時に、着物を折って入れなければならない事があります。
できるだけ折らずに入れるのがベストですが、どうしてもという時は折り目の内側に厚手のタオルや太く巻いた新聞紙を詰めると、折り目がつきにくくなります。
着物はシワや折り目が強くついていると、査定額が低くなってしまう可能性があるので、できるだけ注意して梱包しましょう。
ブランド買取の梱包のコツ
ハイブランド品、時計、アクセサリーは厳重に
ブランド品は中古販売の中でも特に人気が高いジャンルなので、状態が良いアイテムの買取価格は上がりやすくなります。
特に定価の高いハイブランド品は、少しの損傷でも価格に大きく影響するため、緩衝材で厳重に保護しましょう。
また、時計やアクセサリーなどの壊れやすい物も梱包に注意し、汚損や破損への対策をしっかり行った方が安全です。
ブランド品の化粧箱は、他のアイテムに比べて査定での重要度が高くなる傾向にあります。
輸送中に角が潰れたり傷ついてしまわない様に、外側の緩衝材の保護を徹底しましょう。
衣類はビニール袋に入れて詰める
ブランド品の洋服を売る時は外箱がないため、そのままダンボールに詰める人が多いのですが、必ずビニール袋に入れてから梱包してください。
水濡れや汚損を防げるだけでなく、洋服のサイズに合ったビニールに入れることで余計なシワを防ぎ、綺麗な状態を保って届けることが出来ます。
お店で新品の服を購入した時をイメージし、綺麗に畳んでから袋詰めをして、ダンボールに入れましょう。
洋服の袋詰めをする時は、1着ずつにしないとダメかなっ?
同じサイズでピッタリ入れられるなら、複数まとめて入れてもOKよ!
ただし、色移りに注意したいから、できるだけ同系色の洋服をまとめて入れるようにしてね。
宅配買取利用時にあると便利なアイテムはコレ!
緩衝材代わりに「新聞紙」
宅配買取を利用する時の梱包で、兎にも角にも大切なのが緩衝材です。
基本的には「プチプチ」と呼ばれるエアパッキンを使うのがベストですが、買取店がくれる量では足りないことがあり、中には緩衝材はもらえないお店もあります。
自分で用意すると購入しなければなりませんが、この代用品としてベストなのが新聞紙です。
新聞を購読している家庭であれば簡単に用意できますし、購読していない人も住まいの市区町村が発行する地域新聞を利用すれば無料で準備できます。
くしゃくしゃに丸めて空気を含ませれば、エアパッキンと同じ緩衝効果がありますので、安全に荷物を送れます。
また、アイテムを包む時は丸められないので、数枚重ねて使用するのがおすすめです。
新聞の量が足りなくなった時は、チラシや雑誌のページを緩衝材として代用することもできます。
紙質が固いものや厚手のものは、細く切り裂いてビニール袋に入れると、隙間を埋める緩衝材として使えます。
本やディスクをまとめる「サランラップ」
サランラップは粘着剤を使用しておらず、質感も柔らかいため、売るアイテムに使用しても傷めることがありません。
セットの本やCD、DVDなどをまとめてから梱包したい時に、非常に便利に使えます。
サランラップを使用する時は、アイテム全体を包む必要はないので、横幅の短いタイプの物でも使用できます。
1周巻くだけでも良いですが、荷崩れ防止などの効果も期待するのであれば2~3周巻いた方が良いでしょう。
コードの収納に「結束バンド」
電化製品のコードやケーブルを入れる際、線自体を結んで入れたり折り返しが窮屈になっていると、断線して使用できなくなる恐れがあります。
かといって、巻いておくだけではバラけてしまうため心許なく感じてしまいますし、査定の時も印象があまり良くありません。
線を綺麗かつ安全にしまうためには、ゆったりとした円形になるように束ねた後、結束バンドで結んでおきましょう。
購入時、コードがまとめられていたビニタイ(細い針金の入った帯状の結束材)も、結束バンドと同じ用途です。
箱の中に残っていたり、自宅に余っているビニタイがあれば、それを使用しても構いません。
少しの工夫が安全につながる
日本の宅配業者は質が高いと言われていますが、思わぬ配送トラブルに見舞われてしまうリスクは拭えません。
宅配便を使用する時は利用者側も梱包をしっかりと行って、より安全に配達先まで届けられるよう努めることが大切です。
特に、宅配買取は大切な売り物をお店まで送る手段ですので、配送中の汚損・破損があっては一大事です。
自分で行える梱包の工夫はきちんと取り組んで、安心して買取店まで届けられるようにしましょう。