不用品を売ろうと思って買取店のサイトを覗いてみると、いくつかの方法から選ばなければならない事がよくあります。
それぞれに特徴や違いがあるのは説明を読んで理解できますが、実際に利用する時にどれを選択すれば良いのか迷ってしまうものです。
どの買取方法を利用するかによって利便性が違うだけでなく、実は買取価格に影響を及ぼす可能性があります。
この記事ではそれぞれの特徴やメリット・デメリットを比較して、より便利で高く売れる方法はどれなのかをご紹介します。
最後まで気持ちよく取引ができる、自分に合った方法を選びましょう。
買取方法はどんなものから選べる?
買取店へ売る方法にはいくつかの種類がありますが、下記の3つの方法から選択するのが一般的です。
お店によっては買取方法がどれか1つに限定されていることもありますが、選べる時はしっかりと比較してから利用しましょう。
選べる3つの買取方法
近くのお店を利用する「店舗買取」
売りたい不用品をお店まで持って行き、査定・買取をしてもらう方法です。
リサイクルショップや町中の買取店などで採用されており、買取方法の中では一番よく知られています。
店舗買取のメリット
予約や申し込みが不要
店舗買取は広く開かれたサービスなので、基本的に予約や事前の申し込みは必要ありません。
「売りたい!」と思った時に、いつでもすぐに利用できるという便利さがあります。
売りたいアイテムが大量にある場合など、状況によっては事前予約制になることもありますが、よほどの数や量でなければ当日利用が可能です。
近所のお店を使う安心感がある
店舗買取を利用する人のほとんどが、自宅の近くにあるお店を利用します。
通勤やお買い物など様々な機会に何度も目にしている買取店は、使ったことがなくても無意識に安心感が生まれます。
特に買取店を初めて使う人は価格やサービスなど様々な点に不安を持ちやすいため、安心して利用できる店舗買取を選ぶことが多くなっています。
「使ったことがないのに不思議と安心感がある」という状態になる事を、心理学で“ザイオンス効果(単純接触効果)”と言います。
同じ物に接する機会が多いほどその対象に好印象を持つようになったり、評価が高まるという心理効果です。
近所の買取店の看板を頻繁に目にしていると、上記の効果によって「このお店は安心だ!」と感じる様になり、選びやすくなります。
ただし、この安心感はあくまで心理効果によるもので、根拠はなく、実態とは異なる事があります。
スタッフの顔が見える
店舗買取ではスタッフとのやり取りを通して、買取を進めていきます。
相手の顔が見えていることや対応するスタッフの人柄が伺えることで、初めて使うお店でも安心感が得られます。
若い世代ではそれほど重視されていませんが、中高年以上の世代では対面式の買取方法が人気です。
査定の透明性が高い
売りたい物を買取店へ持って行くと、多くのお店は利用者の目の前で査定を行ってくれます。
どの様に扱い、どの様に査定をするのかが明確になるため透明性が高く、買取の安全性に繋がります。
目の前での査定はどのお店でも行っているわけではなく、買取店によっては従業員専用のスタッフルームで査定を行う場合もあります。
即日現金化が可能
店舗買取はその場で査定・支払いが基本となるため、査定額に承認すればその場でお金が支払われます。
1日でも早く現金が欲しいという時には便利なサービスで、売却・支払いのスピードは買取方法の中でも一番早いと言えます。
いつでも使えて安心感のある店舗買取は、とても魅力的ね~。湖畔の買取屋さんをいつも見かけていたの。使いたい気持ちになるわっ♪
メリットだけを見るととても良いサービスに見えますが、実はデメリットもあるんですよ。
良い点だけでなく悪い点もしっかり確認しないと、トラブルになりやすいので気を付けてくださいね。
店舗買取のデメリット
利用できるお店が限られる
店舗買取を利用すると売りたい物を持参しなければならないため、利用できるお店が自宅近くの店舗に限られてしまいます。
車での運搬もできますが、それでも他都道府県や遠方のお店へ行くのは現実的ではありません。
「近くの買取店=評判の良いお店、高く売れるお店」とは限りませんので注意しましょう。
売りたい物の運搬が大変
売りたい不用品が数点であれば問題ありませんが、ダンボール複数箱になってしまうと買取店まで運ぶのもかなり大変です。
特に、本など数が多いと重たくなるアイテムやかさばる物は多くの労力がかかり、売りに行くだけでも一苦労です。
しかも、必ず全てが納得できる価格で買取ってもらえるとは限りませんので、お店から自宅へ持ち帰ることも考えるとあまり便利とは言えません。
往復の時間・交通費がかかる
お店へ売りたい物を持参しなければならない店舗買取では、お店までの往復の時間がかかります。
さらに、電車賃やガソリン代などの交通費も必要となりますが、この時間や費用は利用に際してかかるもので、売る・売らないに関わらず発生します。
万が一査定額が安くキャンセルしたいとなっても、時間と交通費の負担は免れません。
査定の待ち時間が必要
店舗買取は基本的にその場で査定を行うため、スタッフが調べている間に待ち時間が発生します。
査定の待ち時間はアイテム数やジャンルによって変わりますが、平均1~2時間ほどと言われており、さらにそこに申し込みや売却などの手続きの時間が加わります。
査定中は店舗で待たなければならず、その間がロスタイムになってしまうため、無駄な時間が多い方法と言えます。
お店が混んでいる場合でも、その日のうちに査定してもらえるー?
混雑していたり大量に査定してもらう場合は、別日に再来店が必要なこともあります。
それにもまた時間と交通費がかかるため、手間が目立つのが店舗買取の難点ですね。
買取額が安くなりがち
店舗買取を利用する最大のデメリットと言えるのが、買取価格が安くなりやすいということです。
お店を構えなければならないため、店舗の賃料や光熱費、人件費などの支出が他の買取方法よりも多くなり、利益が少なくなります。
利益を少しでも増やすためには買取価格を下げる必要があるので、結果的に査定が安くなってしまいます。
キャンセルしづらい
査定額を確認してからキャンセルすることができますが、対面式のサービスは断りづらいという人も多いです。
スタッフと顔を合わせるため申し訳ない気持ちが出てしまい、さらに相手も売ってもらおうと営業をしますのできっぱり断れず、安くても売らざるを得ない状況になりがちです。
また、査定に出したアイテムを持ち帰る手間を考えると、売った方が得なのではと考えてしまい、もっと高く売れるはずの物でも妥協しやすくなります。
自宅へ査定に来てくれる「出張買取」
買取店のスタッフが自宅を訪問し、査定を行う方法です。
大きい物や重たい物を売るイメージですが、最近はアイテムに関係なく利用できるため、より気軽に出張してもらえます。
出張買取のメリット
準備がほとんどいらない
出張買取は売りたい物を自宅で査定してもらえるため、荷物の運搬や梱包などの準備が必要ありません。
査定に来てもらう日に合わせて売りたい物をまとめて出しておくだけなので、準備がほぼ不要です。
3つの買取方法の中では準備に最も手間がかからず、あまり時間が取れない人や売りたいアイテムが多い場合にとっても便利です。
顔を合わせる安心感がある
店舗買取と同じ様にスタッフと対面して査定をしてもらえるため、相手の顔が見えることで安心感を得られます。
どんなスタッフが対応しているのか気になるという人にとっては、使いやすいサービスです。
でも、王子様以外の男性が私の家に来るのは、ちょっと抵抗があるなぁ~
出張買取では女性の利用者に限り、女性スタッフの訪問が選べる場合もあるわよ!
より安心につながるサービスが増えているので、不安がある時は女性指名ができるお店を使うと良いわ。
査定が目の前で行われる
出張買取は自宅の中や玄関先で査定をすることがほとんどで、値段がつけられるまでの一連の流れを自分も一緒に確認することができます。
自宅で行われる査定はお店の様にスタッフルームへ持って行かれてしまう心配もなく、全てが目の前で行われるため、より透明性の高い査定になります。
場合によっては出張スタッフだけでなく、メールや電話でのやり取りを通して本部のスタッフにも確認を取りながら、査定を進めることがあります。
その場で現金化できる
よほど高額にならない限り、出張買取は承認したらその場で現金を受け取る事ができます。
1日で全ての手続きが完了するため、無駄な時間をかけることがありません。
ただし、出張するスタッフが持ち歩く現金にも限度がありますので、貴重な骨董品や作家物の着物、高級ブランド品、車、ピアノといった高額商品を買取ってもらう場合は、振り込みで対応することもあります。
クーリングオフが適用される
クーリング・オフは「契約後8日以内であれば、契約を取り消すことができる」という制度で、特定商取引法に規定されています。
買取店側が自宅を訪問する出張買取は2013年から特定商取引法の対象とされ、売った後に考え直してキャンセルしたくなった時も、お店が指定した手続きを踏めば一度売った物を返却してもらうことが可能です。
自分で持って行く店舗買取や自分で発送する宅配買取は、クーリングオフが適用されないため、出張買取ならではの特徴です。
クーリング・オフ制度は、買取られた全てのアイテムが対象となる訳ではありません。
本、CD、DVD、車、家具など一部の品物は「消費者の利益を損なわない」「規制により流通阻害の恐れがある」として、対象から除外されています。
クーリングオフ対象外の物を出張買取で売る時は、成約後にキャンセルができない事を理解しておきましょう。
また、引越しなどの転居・移転に伴う買取や、法人や申し込んだ場合も、クーリングオフは適用されません。
出張買取のデメリット
他人を家に上げる不安がある
出張買取ではスタッフが自宅を訪問して査定を行うため、見知らぬ他人を家に招き入れなければなりません。
女性一人暮らしや高齢者の方の場合、たとえ同性であってもセキュリティの不安を感じ、あまり利用したくないと感じる人もいます。
また、悪質な業者の場合は訪問するのを良い事に、成約するまで帰らず居座ったり、貴金属やブランド品などの買取をしつこく勧めてくるなどの不誠実な対応をすることもあります。
出張買取を利用する時はこの様なトラブルを回避するために、信頼できるお店をきちんと見極めることが大切です。
予約が必要なことが多い
利用に際し、スタッフの訪問日時を調整しなければならないため、基本的にはどこのお店も予約が必要です。
即日出張を謳うお店もありますが、対応してもらえるのは都心部が中心になることが多く、地方では別日になってしまう事が多いようです。
あらかじめ休日などのスケジュールを調整し、まとまった時間を確保できる人でないと利用しにくいでしょう。
拘束時間が長くなりやすい
出張買取はその場で査定の待ち時間が発生するだけでなく、店舗買取と比較して拘束時間が長くなる傾向にあります。
相手の自宅に出向いているため、交通費などが不要な支出にならないよう説明や営業に時間をかける場合が多いからです。
また、査定の機会を利用して専門家にアイテムや買取に関する様々な質問をしたいという利用者も多く、これが拘束時間の長さにつながっていることもあります。
買取を断りづらい
店舗買取と同じ様に対面しての査定となるため、キャンセルしたくても断れないという人が多くなります。
また、出張買取ならではの「断ったらさらにしつこく営業されるのではないか」「断った後に居座られたらどうしよう」といった不安も伴うことで、さらにキャンセルしにくい状況になります。
家まで来てくれるなんて便利!って思ったけれど、気持ちをはっきり伝えられない私はなんだか心配だわっ・・・
断りにくいというのは買取に限らず、対面式のサービスあるあるですね。
出張買取には「クーリング・オフ制度」が適用されて、あとからキャンセルができるので、ブランド品や着物など対象となるアイテムなら店舗買取よりも気軽に使えますよ。
宅配便で送って査定「宅配買取」
売りたい物を宅配便で買取店へ送り、査定してもらう方法です。
最も新しい買取方法でありながら人気が徐々に広まっており、多くのお店で導入されています。
宅配買取のメリット
高価買取になりやすい
宅配買取の最大のメリットは、なんといっても買取価格が高くなりやすいという事です。
全国からの買取依頼を1つの拠点で受ける事ができ、さらに賃料の高い駅前などに出店する必要が無いため3つの買取方法の中ではかかる経費が最も安く、お店の利益が上げやすいと言われています。
多く確保できた利益の一部を買取価格に還元し、他店よりも高く買取れるようにすることでリピーターや新規顧客の獲得を狙っているため、結果的に最も高く売れるのです。
拘束時間が少ない
買取にかかる全ての過程はインターネットやメール、宅配便を通して行われます。
お店に行ったり査定や手続きを待つ必要が無く、拘束される時間がほとんどありません。
仕事や家庭の事情でまとまった時間を取れない人や、休日を買取だけに使いたくないという人にとって、とても便利に利用できるサービスです。
多くのお店から選べる
店舗買取では自宅付近のお店、出張買取では自宅が出張範囲に入っているお店でないと利用できませんが、宅配買取なら日本全国どこのお店でも利用できます。
自宅から行きやすいお店が高く買取ってもらえるとは限りませんので、多くの選択肢の中から比較して選べるのは大きなメリットです。
せっかく売るなら、ちょっとでも高く売りたいもんね♪
もちろん価格面から見てもメリットだけど、より使いやすいサービスを提供しているお店を利用できるというのもポイントだわ。
利便性が低いと不満につながったり、思わぬ減額が発生する恐れもあるから注意してね。
送料や手数料がかからない
宅配買取では宅配便でアイテムを送る必要がありますが、その際の送料は買取店が負担してくれるため、無料で利用することができます。
「売れるかどうか知りたい」「査定結果を見てから決めたい」という場合でも、気軽に利用することが可能です。
さらに、成約となった場合は口座に買取額が振り込まれますが、その際の手数料もかからないので、完全無料で利用できます。
一部の買取店では、送料や手数料をお客様負担としていることがありますが、現在は「発送料・手数料無料」のサービスがスタンダードになっています。
売りづらいアイテムも依頼しやすい
売りたい物を宅配便で詰めて送るだけで査定してもらえるため、買取店のスタッフと顔を合わせることは一度もありません。
人に見られるとちょっぴり恥ずかしい漫画やDVD、フィギュア、オタク系アイテムなど対面では依頼しづらい物も気兼ねなく売る事ができるのは非対面式サービスならではの特徴です。
アダルト色の強いアイテムは、買取店によって取り扱いの可否や買取範囲が異なります。
利用したいお店の買取商品をチェックして、売れる事を確認してから申し込みましょう。
キャンセルしやすい
スタッフと顔を合わせない非対面式サービスは、万が一サービスや査定額に納得ができなかった場合でも断りやすいです。
メールの返信やボタン1つでキャンセルできるため、情に流されることなく冷静に判断し、返事をすることができます。
宅配買取の利用者は全体的に満足度が高いと言われていますが、これには自分が本当に納得のできる結論を出すことができるという点も影響しています。
宅配買取のデメリット
非対面が不安な人には不向き
「誰にも合わずに買取を利用できること」が宅配買取の大きな特徴ですが、スタッフの顔が見えない事を不安に思う人にはあまりおすすめできません。
50代前半の世代までは気にしない人が多いですが、年齢が上がれば上がるほど顔を合わせて話すことを重視します。
不安なまま利用すると、たとえ高く売れても満足感が少なくなってしまいますので、安心できるお店を見つけるまでは出張買取や店舗買取を利用した方が良いでしょう。
私の着物は高かったので、宅配買取ではちょっぴり不安が残りますのっ。店舗買取と出張買取ではどちらの方が良いかしら?
定価の高い着物やブランド品などのアイテムは、配送中のトラブルなども考えると宅配買取でない方がいい場合もあります。
店舗買取だと持ち運びが大変だったり、査定額が安くなることもあるので、出張買取を利用するのが良いと思いますよ。
IT弱者には使いづらい
宅配買取はインターネットでの申し込みやメール、会員マイページの確認などが必要になります。
高齢者などパソコンやスマートフォンに弱い人(いわゆる、IT弱者)にとっては逆にやり取りが面倒に感じてしまったり、査定結果などの大切な連絡を見逃す恐れがあります。
メールやインターネットがよく分からないという人が利用する場合は、分かる人が一緒に利用した方が安心です。
このページを見ている人であれば、宅配買取は問題なく利用できます。
利用の手順を確認してより具体的なサービスを把握すれば、迷うことなく簡単に不用品が売れますので安心しましょう。
大量に売る時は梱包が大変
宅配便で売りたい物を梱包する時は、緩衝材で保護をしたり隙間を埋めたりと多少の作業が必要です。
アイテム数が多ければ多いほど梱包作業が大変になるため、大量に売りたい時はあまり向いていないかもしれません。
ただし、宅配便の集荷はすぐに発送する必要はなく、申し込みから1~2週間以内であれば受け付けてもらえるため、スキマ時間を使って少しずつ準備ができるのであれば大量に売りたい人も心配いらないでしょう。
他の買取方法より時間がかかる
宅配便やメールなどを介してやり取りを行うため、対面で直接買取ってもらうように申し込み当日~翌日の現金化はできません。
基本的には、梱包用ダンボールの配達に1~2日、荷物の発送や査定の順番待ちに各1~3日程度、買取額の振込に1~2日かかります。
申し込みから振込まで1週間ほどあれば完結しますが、繁忙期の場合にはもう少し時間がかかる事もあります。
返送料がかかるお店もある
査定結果を受けてキャンセルする場合は送ったアイテムを返送してくれますが、その際に一部の買取店では着払い(送料お客様負担)になってしまいます。
返送無料というお店も増えてきているため、申し込み前にサービス内容を確認してから利用した方が安心です。
また、「基本的に返送は着払いだが、10点以上査定に出したお客様は返送無料」など条件付きになっていることもあります。
宅配便の送料は、月から送る場合でも送料無料で使えるのですかっ?
月は対象範囲外だけど、北海道や沖縄、離島も送料無料対象に含んでいる買取店がありますよ。
この地域は送料が高くなりやすいので、キャンセル時の返送料は特に注意してください。
手間なく高く売りたいなら「宅配買取」がオススメ!
準備の手間や待ち時間、拘束時間などを総合して考えると、宅配買取が一番便利に利用できます。
学業や仕事、家事育児、介護などで忙しくあまり時間が確保できない人でも、自宅に居ながら利用できるので使いやすい買取方法です。
しかも、3種類の中では最も高価買取になりやすいため、少しでも高く売りたいという人は絶対に利用した方が良いでしょう。
確かに非対面による不安はありますが、インターネット通販などが多く利用される現代ではそれほど大きなデメリットにはなりません。
利用者の口コミなどで情報を集め、信頼できるお店を選ぶように心がけましょう。